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シールド

──王都・中央裁判所。
荘厳な石造りの法廷には、朝の光が静かに差し込んでいた。
高くそびえる天井、重厚な柱、冷たい石床。
そのすべてが、沈黙の中で威圧的に存在していた。
傍聴席には王宮の高官や元老院の面々が並び、無言のまま審理を見守っている。
だが、かつて共に戦った仲間たちの席は、ぽっかりと空いたままだった。
その空白が、何より雄弁に語っていた――
この場に立つ男が、今どれほど孤独かを。
中央に立つのは、リーン・アークライト。
かつて“英雄”と讃えられた男。
今、その名は、罪人として呼ばれようとしていた。

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