「どうも、こんばんわ。不思議で恐怖な世界へようこそ。……寄ってきてるな。……帰れ! 帰れお前ら!」
突然ですが、皆さんはストーカーという言葉をご存じでしょうか。
よく耳にしたことがあるので、ご存じだという方は多いかもしれません。
これは人につきまとう行為を表すんですが、なにも、全てが悪いかというとそうではないんですね。
元は有名人などにつきまとう、まあ、所謂追っかけという行為等が元だという話しもあり、それは現代でもあるわけで、ただ出待ちをするというのは悪いことではありません。
しかし、男女間での恋愛のもつれから、四六時中影からこっそり覗いたりだとか、無言電話をかけたり、家に忍び込んだり、果てはそれにより殺人事件なども起きてしまったら話は別。
そういった事件が多発したことにより、この国でも、それまでは民事不介入により取り締まれなかったのが、2000年頃に取り締まることとなったわけで、その際に広く浸透した訳でもあり、今に至るんですがね。
「この、ストーカー。被害者の受け手側によっては状況が悪化しない等ということもあるかもしれませんが、それはどちらにしろ、加害者であるストーカー側が対話できる精神状態にあるかどうかが重要となります」
広く知られてる、もしくは、ヒトコワというジャンルで語られる人の怖い話でよくあることもあって、若くてそこまで強く出られない、こわいな、やだなの女性が被害に遇い、警察に訴えてもそこまで相手にしてもらえず最悪の事態を招く、なんてイメージが広く浸透しているかと思います。
「間違っても、坊主頭で平凡な学生のような私が被害に遭うなんて事、誰も想像はしないです。私ですら自分がそういった被害に遭うなんてこと考えてもいなかったのですから。どちらかと言えば、なるとしても加害者の方、なんて想像の方が容易いかもしれません。……なんまんだぁ……かみさまっ……」
ですが、事実は小説より奇なりという言葉が示すように、現実はフィクションでは考え付かないような、まさか自分がなんてこともよくあるもので、人が人を超える、人の理解を超える等、実は世の中には日常的な出来事よりそういった出来事の方が実は多いのかもしれません。
「おや……そうですか。既に貴方も……」